ディオン・フォーチュン、翻訳の推敲作業中。

「儀式魔術とは、精妙な領域[エネルギー・レベル]における治療学であると定義できる。もちろん、衛生学の知識なしに治療を行うことは健全でない。

そしてこの領域での衛生学は、倫理なのだ。多くの秘教の実践者により犯される過ちは、パワフルな変化を引き起こす魔術的行動を、倫理的正しさという衛生学を併用することなく行おうとすることだ。」

ディオン・フォーチュン

 

 検索エンジンでArs Magikaを検索しようとすると、勝手にArs Magicaで結果を出してくる。

 確かにラテン語の通常スペルはmagicaなのだけど(「k」を使うのはギリシャ語由来の語のみ)、あえてkで綴っている。

 英語でもクローリーあたりからmagicではなくmagickと綴られるが、それも意味あってのこと。

 

「わたしは現実と折りあうべきだ。だが、一度も折りあったことはない。SFとはそういうものなんだ」 

フィリップ K. ディック(浅倉久志訳)

 

「プラトンは後回しでいい。ヘルメティカを先に訳してくれ」 

コジモ・ディ・メディチ

 

「無意識に生き続けるという贅沢は、我々にはもう許されてはいないのだ」 

テレンス・マッケンナ

 

「歴史とは、人類の集合意識が見る夢だ」 

テレンス・マッケンナ

 スタージョンの『人間以上』を読んだのは中学の時。それは物語を通して、人間の種としての進化の可能性と方向性、そしてその中で道徳とエトスの果たす役割について、十代の心にしっかりと刻み込んでくれた。その意味では、自分の人生観に影響を与えた本。

 改めて原書で読み直してみると、舌足らずなところ、説教っぽくて冗長なところもあるが、それでもやはり名作だ。

 昔読んだ時には気づかなかったのだが(当時は心理療法についての知識も経験もなかった)、半世紀前に書かれたこの本の中で、スタージョンがすでに、心理分析や心理療法的手法で感情や記憶のブロックを解くことが、人間の能力や可能性をフルに発揮するために重要だと考えていたのに驚かされる。

 もちろん優れたSF作家というのは、いつも来る時代の予言者ではあるのだが。

 「人間の種としての進化は、道徳性を核とすることなしにはあり得ない」というメッセージを、こんなにもストレートに(ほとんど説教調で)語り上げることを許し、しかもそんな作品に多くの賞を与えた当時のSF界も、すばらしかったと思う。欧米でも日本でも、今のSF界には、この頃の面影は残っていないような気がする。

 SFの中には、十代の頃には夢中で読んだが、今はもう読めないなと思うものもある。だがスタージョンは今でも好きな作家だ。

 『夢見る宝石』は、『人間以上』と並ぶスタージョンの代表作。

 『人間以上』を読んだのと同じ頃に探したが手に入らず、やがてSF小説そのものを読まなくなり、そのままになっていた。

 思い出して原書を手に入れて読んだが、久々に古典的名作のカテゴリーに入るSFを読んだと感じた。1950年に書かれた作品とはとても思えないが、時代を超えて残る古典とはそういうものだろう。

 十代の頃ではなく、人生経験を一通り積んだ今になって読むことができたのも、ある意味では幸運だった。今だからこそ、この作品をすみずみまで味わうことができたと思うから。

 「人間であるとはどういうことなのか、何が我々を人間たらしめるのか」という永遠不変のテーマを、最初から終わりまで一気に読ませる抜群におもしろいストーリーとして書き上げることのできたスタージョンは、ディーン・クンツの言う通り、何世紀を経ても読み継がれ続ける作家だと思う。

シオドア・スタージョン『人間以上
シオドア・スタージョン『夢見る宝石

 

「エジプト人は知識について直接語ることをせず、それを芸術や彫刻に組み込んで、その効果が感情に働きかけるようにした」

ジョン・アンソニー・ウェスト

 普通の人で区別している人は少ないと思うが、「魔術(Magic)」と「魔法(Witchcraft)」は別物。「魔術師(Magician)」と「魔女(Witch)」も全く別物(性別の違いだけではない)。 

 ディオン(ダイアン)・フォーチュンもW. E. バトラーも指摘する通り、現代に残るもっとも典型的でわかりやすい魔術の典礼儀式はカトリックのミサ。

「魔術を実践できるためには、神の存在についての揺るぎない確信が必要だ」

W. E. バトラー(未発表の遺稿から)

「精神的な進化は、厳しく道徳律に従う者にのみ可能である。入門者が道徳的真理と徳について十分に理解したと教師らが納得して初めて、自然と科学の隠された神秘について学び始めることが許される…しかしフリーメイソンにおいて特殊なのは、この道徳的真理と徳についてのレッスンが、教訓的な言葉よりも、おもに寓話と象徴を通して教えられることだ。」

JSMワード『フリーメイソンの道徳的教義』

「エジプト文明は、原始的なものから段階的に発達したのではない。それは遺産なのだ」

ジョン・アンソニー・ウェスト

(Twitterからのまとめ)

 

 小説を書いていて、本当はこのあたりでイラストも入れたいが、デジタルでの作画はまだ手習いレベル。

 実際にペンと水彩で描いてしまった方が早い…みたいな。

 それからデジタル作画の絶対的な弱みは、絵を描く過程で、実際の顔料と関わりを持たないこと。良質な絵の具は今でも自然の鉱物系だし、油絵も水彩も基本的にアルケミストの作業。

 昔、ゾクチェンのタンカ絵師の人の作業場に入れてもらったことがあるが、自分の手で鉱物をすり鉢ですりつぶして顔料を作っていた。

 青は本当にラピスラズリ。朱色は辰砂(硫化水銀)。

 

 自分でも気に入っている、駆ける狐。

fox

 心理療法課程の卒論を締め切り日の明け方までかかって書き上げ、そのまま動かされるように描き上げた絵。何も考えず(徹夜明けなので何も考えられず…)、湧き上がるイメージを紙に落とした。

mandala

 これも古い絵…。

wolves_dream
ourlady

 上の4枚はすべて鉛筆と水彩(紙はアルシュ300lb)。